ありがたや朝な夕なに君と我れ おろがむ苫屋は浄土なりけり
照滴038
本文
ありがたや朝な夕なに君と我れ おろがむ苫屋は浄土なりけり
形式
#短歌
カテゴリ
#3.信仰・信心
ラベル
#信仰 #浄土 #日常
キーワード
#朝夕 #君と我れ #苫屋 #浄土 #ありがたさ #感謝
要点
日常の営みの中に浄土や信仰の喜びを見出す。
現代語訳
朝も夕も君と共にいることがありがたい。粗末な家でも、それが浄土のように感じられる。
注釈
おろがむ:拝む
苫屋:藁や葦で作られた簡素な家屋。修行・仏道の生活の象徴。
浄土:仏教における理想の世界
解説
物理的な環境に依らず、日常の中に信仰や感謝の精神を見出す禅的・浄土観の表現。愛する人との共生が心の浄土となる。
深掘り_嵯峨
真の幸福と浄土のあり方を説いた歌です。豪華な建物や遠い理想郷に浄土があるのではなく、「粗末な小屋(苫屋)」であっても、「君と我れ」という愛と信頼があり、「朝な夕なに」共に祈るという清らかな行為があれば、その場所こそが浄土になるという、即今の悟りの境地を詠んでいます。
清貧の美と愛の力を肯定し、心のあり方こそが世界を浄化するという、禅的かつ浄土的な真理を簡潔に表現しています。